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【防災インタビュー】出雲大社のまち 出雲 vol.4

今回の専門家

稲根 克也(いなね かつや)
出雲観光協会

出雲と自然災害

出雲というのは比較的自然災害の少ないまちではありますが、実は大きな斐伊川と神戸川がありまして、それが過去には氾濫して水害になったということがあります。これまでに、しっかりと治水対策工事が行われてきたおかげで、今ではだいぶ水害も少なくなってきています。

ただ、ここ数年、全国的にいろいろな場所でゲリラ豪雨が発生しており、実は出雲も去年2021年の夏の集中豪雨によって南部で崖崩れが起きて、国道9号線と、それと並行するJRの線路が寸断されて、しばらく不通になっていました。今現在、JRは復旧していますが、国道の方はいまだに片側通行です。

このように雨による被害は昨年だいぶありまして、南部の川に近い場所では、浸水被害もありました。特に梅雨の時期になると集中豪雨が発生しやすいので、気を付けていきたいと思っています。

出雲の辺りは、地震は少ないですし、あまり大きな被害は発生してはいませんが、日本全国どこでも災害が起こることはあり得ます。出雲市の方でも防災計画を作っておりまして、防災会議も年に数回開かれて、その対策を十分にしています。出雲市では、9月1日には市全体の防災訓練を毎年実施しています。特に各地区で、コミュニティセンター単位、自治会単位で防災の会も組織されていますので、そこが中心になってそれぞれ防災訓練をしています。被害を最小限にするためには、普段から充分な訓練と備えが必要だと思っています。

島根の原発再稼働について

島根には、島根原発が出雲市の隣の松江市にありますが、実は出雲もその30キロ圏内ということで、いろいろな防災訓練も積極的に行っております。現在、2号機の再稼働をどうするかということを各自治体でも検討されており、島根県知事の表明がもうそろそろ行われるというような時期に来ています。島根原発も海に近い所にはありますが、今までは津波の被害がなかったので、東日本大震災までは、あまり意識をしていなかったのですが、皆さん、今はそれを一番心配されていると思います。

太平洋側の方が津波の心配はあるとは思いますが、日本海側でもいつ津波が起こるか分からないので、それに備えて何かあったときにしっかりと対処できるように訓練が必要です。避難訓練なども行い、すぐに対処できるように日頃から心掛けていきたいと思っています。

コロナ禍における出雲観光

コロナ禍が長引いていますが、少しずつ行動制限がなくなってきており、出雲にもだんだん観光客の皆さんに来ていただけるようになっています。コロナ禍の前は、どちらかといえば団体客が多かったのですが、今は個人、グループが主流で、恐らくアフターコロナになってもやはり個人、グループというのが主流になってくると思います。そのためには、それぞれの趣向にあったいろいろな観光メニューをこちらから提供していかないといけないと思っています。

出雲というのは、日本の文化発祥の地ですので、ぜひその歴史と文化を肌で感じていただきたいと思いますし、自然も豊かな所です。特にコロナ禍においても、自然の中はより安心安全な場所ですので、自然も堪能していただきたいと思っています。出雲は「出る雲」と書くくらいで、雲が多い地域で、特に冬は雪が多いイメージもありますが、雨も非常に多いです。ただ、10月、11月の神在月のシーズンは、秋空で晴れた日が多くなりますので、ぜひ皆さん訪れていただければと思います。

羽田空港から出雲空港まで1時間半ぐらい、その後30分ぐらいで出雲大社の方には着きますので、飛行機に乗ってから2時間ちょっとでもう出雲大社に着いています。出雲大社までは、直行バスの他に空港連絡バスもありますし、出雲市の駅からバスや電車での移動手段もありますので、ぜひ出雲の良い所をたくさん見ていただければと思います。現在、出雲観光協会では周遊観光のタクシーや周遊観光バスも用意して周辺部もバスやタクシーで回れるような旅行企画も設けていますので、ぜひそれもご利用いただけたらと思っています。

※今回のインタビュー記事は、「FM salus」が過去に放送した「サロン・ド・防災」の内容を、一部改訂して掲載しています。