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「母乳育児」と聞いてどのようなイメージがあるでしょうか?
私は母乳育児に力を入れている病院で働いていた時期が長いので、出会ったママ達の多くが母乳育児をしたいと希望されていました。しかし、産後ほとんどのママ達が「母乳育児がこんなに大変だと思わなかった。」と口を揃えます。
それはどうしてでしょうか?
ママ達からは次のような声が多く寄せられます。
「母乳って勝手に出るものだと思った」
「赤ちゃんは自然と上手に吸うもんだと思った」
「こんなに乳首が痛いと思わなかった」
「赤ちゃんはおっぱい吸ったら寝るものだと思った」
実際に母乳育児は大変です。
今回は母乳育児にトライしたいママ達、母乳育児に悩むママ達に少しでも母乳育児が楽になる、楽しくなるヒントをお伝えします。
母乳育児を続けていくことで大切なこと
まず母乳育児を続けていくには「頑張りすぎない」ことが大切です。
母乳育児では3時間ごとの頻回授乳が推奨されていますが、リズムが確立するまでは3時間も空かないことがほとんどです。
それに加えて初めは母乳の分泌量と赤ちゃんが欲しがる量のバランスが合わず、それを回数で補うことになります。つまり3時間も経たないうちに泣き出し、おむつを替え、傷だらけで痛い乳首をマッサージして授乳をするというのを1日10回程繰り返します。
ママ達にとっては毎回の授乳の時間がプレッシャーになり戦いになります。
なので、無理はせずに頑張りすぎないことが母乳育児を続けていくポイントになります。
そして、少しでも早くリズムを確立するためには、赤ちゃんの欲求に母乳の分泌が追いつくことがもうひとつのポイントとなります。
そこで母乳分泌を促進させるポイントをいくつか紹介します。
母乳分泌を促進させるポイント
1. 身体を温める。冷やさない。
母乳は血液から作られます。身体が冷えていて血液循環が悪いと母乳分泌も落ちてしまいます。産後1ヶ月はシャワー浴だけになるので、バケツで足浴をしながらシャワーするなど工夫をして身体を温めましょう。レッグウォーマーや腹巻きなどもオススメです。
2. 根菜類を積極的に摂る
血液循環を良くする為に、ビタミンやミネラルが豊富な根菜類を積極的にとることで母乳分泌増加に繋がります。産後の便秘解消にも繋がりますよ。
糖類や油分は母乳を詰まりやすくすると言われていますが、極端な制限はストレスになります。常に疲れている状態で食事の楽しみまでなくなると、母乳育児も楽しくありません。バランスよく食べるといいですね。
3. 水分をしっかりこまめに摂る
授乳期はとても喉が渇きます。しっかりこまめに水分を摂りましょう。ただし、氷でキンキンに冷やした飲み物ではなく、常温または温かい飲み物をオススメします。
いつも同じ味だと飽きるので、お茶や紅茶やハーブティーなど様々なものを楽しみながら摂りましょう。
4. 相談できる相手を見つける
最後に、母乳育児を続けていく為に必要なのは相談できる相手を見つけておくことです。出産した病院でもいいです。地域の助産院でも、個人で母乳マッサージをしている助産師さんでもいいですね。
母乳育児についてネットで検索すると、様々な情報で溢れていて何が正しいか分からなくなります。
そんな中、信頼できる人がいればそれだけで心強いものです。
出産した病院に母乳外来があるのか、また保健センターなどに問い合わせてお住まいの地域に母乳外来や、出張で母乳サポートをしてくれる助産院や専門家がいるかをあらかじめ調べておきましょう。
頑張り過ぎず、無理せず、あなたスタイルの母乳育児を楽しめますように。
自分が産まれた時の担当助産師さんの話を母親から聞き、
小さい頃から助産師に憧れを持つ。
現在、助産師歴10年。
現在は都内某有名産院で働いている。
趣味は食べること。