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産後の母体は、妊娠出産での身体の変化やダメージを回復させるためにフル稼働している状態です。
産後6〜8週は産褥期 (さんじょくき) と呼ばれ、妊娠前の身体に戻す大切な時期です。この時期に悪露(おろ)と言われる出血があり、子宮復古をしています。この子宮復古に伴い、後陣痛がある方もいます。
よく動いた時や授乳に伴い痛みを感じられる方もいます。この痛みは子宮を元に戻すための変化なので特に心配はいりません。
ただし、生理で1番多い時の量やそれ以上の出血量がある場合、500円玉くらいの血の塊が出たり、それが続く場合は産婦人科を受診しましょう。なんらかの理由で子宮復古不全が起きている可能性もあります。
またこの時期は慣れない育児や寝不足で疲労やストレスが溜まりやすい時期でもあります。しっかり休息をとり、ボディーメンテナンスをすることが重要な時期です。
今回はそんな産後のケアについてご紹介します。
体の悩みとケア方法
腰痛ケア
産後に腰痛で悩む方は非常に多いです。
慣れない姿勢での抱っこや授乳、沐浴などで腰に負担がかかります。また妊娠中に腹筋が緩んでいることもあり、腰痛に繋がりやすい状態です。
産後まもない時期はまだ子宮が元通りではないので、お腹を締めるタイプのガードルなどは避けて、骨盤を支えるタイプのベルトや、さらしなどを活用するといいでしょう。
なかなか横になる時間はありませんが、少し時間ができたタイミングで、横になり、膝を立ててゆっくりと息を吐きながら腰をひねるストレッチを取り入れるのもいいですね。
浮腫(むくみ)ケア
産後は体に水分がたまり、足がゾウのように浮腫む方も多くいます。貧血がある方はさらに浮腫みやすい状態です。
浮腫がひどい場合でも水分制限はせず、しっかりと身体を温め、水分はこまめに摂るようにします。身体の循環を良くする事で浮腫は改善されていきます。
また貧血気味の方はしっかりと食事を摂り、鉄分を補うようにしましょう。
心にゆとりを作るヒント
サービスの利用
産後はなかなか自由に身動きがとれません。買い物に行きたくても赤ちゃんを連れての買い物は大変。
栄養たっぷりの食事を摂りたくても、泣く赤ちゃんをあやしながら、寝不足で疲労たっぷりの状態では、献立を考えるのもキッチンに立つ事も大変。
そんな時は積極的に産後に利用できるサポートを活用しましょう。家事サポートや、食材宅配サービスも充実してきています。ネットスーパーなども便利です。
リラクゼーション
お気に入りのリラックス方法はありますか?
産後は外出もできず家に篭もりがちになります。
お気に入りのアロマを焚いたり、マッサージをしたり、音楽を聴いたり、リラックスしやすいクッションを用意したりなどお家で過ごす時間をちょっとだけ贅沢にしてみるのもいいかもしれません。
パートナーのサポート
この時期は、めいいっぱい自分を甘やかしてください。家族にもたっぷり甘えましょう。
パートナーの方は、頑張るママにマッサージをしたり、寒い時期などは身体を冷やさないように授乳中にちょっとブランケットを掛けてあげる、温かい飲み物を淹れてあげるなどの優しさがいいサポートになりますよ。
このように、状況によってさまざまなケアの方法があります。 気負いすぎず、無理しすぎず、産後の母体を労わってくださいね。
自分が産まれた時の担当助産師さんの話を母親から聞き、
小さい頃から助産師に憧れを持つ。
現在、助産師歴10年。
現在は都内某有名産院で働いている。
趣味は食べること。