に投稿

分娩期の過ごし方で大事なこと【助産師コラム】

暑い日が続き、また新型コロナウィルス感染も落ち着かない中、妊婦さんや子育て中の方、何をするにも気にかけることが多くて大変ですよね。適度に息抜きしながら乗り越えましょう。

今回は、前回の「入院のタイミングって?」の流れを受けて「分娩期の過ごし方で大事なこと」についてお伝えします。

楽しかったり大変だったりする妊娠期を経ていよいよ入院となった時、この先に待つ陣痛や会陰切開の心配や恐怖、待ちに待った我が子とのご対面への期待などでソワソワ・ドキドキしますね。

それに加えて最近は新型コロナウィルスの影響で出産時の立ち会いも禁止となっている病院も多く、これから出産される方は不安もたくさんあると思います。
だけど、安心してください。
病院にはしっかりみなさんの出産をサポートしてくれる助産師、看護師、医師がいます。医療者もみなさんが素敵な出産体験ができるよう、安全で安心な入院生活が送れるよう、精一杯のケアに努めます。

もちろん陣痛は痛いです。
私も出産を経験しましたが 、あらゆる内臓を上から下から色々な方向から、とてつもない力で引っ張られたり、ねじられたり、押されたりしてるようでした。
正直、助産師としてさまざまなお産に立ち会って来た私の想像を絶する痛みでした。

でも大丈夫です。必ず乗り越えられます。必ず終わります。立ち会いがあってもなくても大丈夫。
助産師がそばについて 一緒に陣痛を乗り越えるサポートをします。

大事なのは呼吸を忘れないこと

これから出産をされる方にお伝えしたい分娩期の乗り越え方で大事なことは「呼吸を忘れないこと」です。

何度も何度も心が折れて弱音を吐いたり、泣きたくなったり、怒りたくなったりしますが、とにかく呼吸を忘れないこと。

痛くて息を止めたり、息を吸ってるのか吐いてるのか分からない状況になるかもしれませんが、そんな時はとにかく「息を吐く」ことを意識してみてください。
なぜ呼吸が大事かというと、赤ちゃんに酸素を送るために必要だからです。

私が出産を経験してみて感じたのは「母親はどんな痛みや苦しみの中でも、赤ちゃんにとっての最善を尽くそうとする」ということ。

痛みで赤ちゃんのことを気にかける余裕もない時もありますが、 そんなときは モニターから流れてくる赤ちゃんの心臓の音を聴きながら、ゆっくり息を吐いてみましょう。陣痛はピークを越え、だんだんと痛みもおさまります。

助産師もしっかり声かけをしますので、その声かけに身を任せるのもいいです。
赤ちゃんも全身を陣痛でギューっと押されながら、お母さんに会うために、元気な産声をあげるために、必死に頑張っています。たまに違う方向に向いたり、ちょっと休憩したりしながら、少しずつでも確実に生まれてこようとします。

その赤ちゃんの頑張りをサポートするのがお母さんの呼吸です。産声をあげて赤ちゃんが自分で呼吸するまでは、しっかり酸素を送ってあげましょう。

ひとつひとつ全部上手にする必要はありません。
ただ、意識するしないでは大きな違いがあります。

呼吸を意識することで、そばにいる助産師の「ゆっくり吐いて〜」「息止めないで〜」と言う声かけが耳に入ってくるはずです。

助産師がずっとそばについていられれば良いのですが、四六時中は難しいです。ひとりになって心細くなることもありますが、そんな時も、息を吐くことにだけ集中していればきっと心も落ち着いてきます。

出産は本当に赤ちゃんとお母さんの二人三脚です。
赤ちゃんもお母さんも お互いに会いたい一心で一生懸命です。
陣痛は痛いですが、一回一回の陣痛を乗り越えるたび、赤ちゃんに会えるまでのカウントダウンが進みます。

これから出産される方、 不安もたくさんありますよね。
そんな不安も かわいい赤ちゃんに 会ったとたん吹っ飛び、 幸せで溢れますよ。
絶対に乗り越えられるから大丈夫。

赤ちゃんもお母さんも頑張れ!