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【助産師コラム】妊娠中期にやること<おっぱいケア、お仕事・家族ケア>

妊娠中期のおっぱいケアについて

突然ですが妊婦のみなさん、妊娠中のおっぱいのケアはしていますか?

赤ちゃんが生まれてからの栄養に関しては、完全母乳、混合栄養、完全ミルクなど様々な方法があります。
どんな方法を選択するかは、ご自身の体調、育児環境、サポート状況、仕事の復帰時期などを考え、どのような方法で育児をしていくのかも考えるといいですね。

大人は1日3食ですが、赤ちゃんは1日8〜10回おっぱいやミルクを飲みます。
つまり、完全母乳の場合、2〜3時間毎におっぱいを吸わせる事になります。

慣れない授乳で乳頭に傷ができる方も多く、この1日8〜10回訪れる”授乳”が苦痛になり、たくさんの先輩ママ達は口を揃えて「おっぱいをあげるのがこんなに大変だと思わなかった。」「妊娠中からおっぱいケアしておけば良かった。」と涙を浮かべます。

母乳で育児をしたい方は妊娠中からのおっぱいケアが非常に大切になります。せっかくの授乳時間、苦痛を感じてストレスになるのではなく、可愛い我が子を胸に抱いて、幸せな気持ちでお乳をあげたいですよね。

おっぱいマッサージを始められる時期

乳頭や乳輪は非常にデリケートで皮膚も薄くなってます。
妊娠中の体の変化として、胸が張ったり、乳房が大きくなったり、乳輪や乳頭の色が濃くなるなどの変化もあります。
これは産後赤ちゃんに授乳する時に傷つきにくくするための自然な変化なので心配いりません。

妊娠中期頃の胎盤が完成する妊娠16週以降、安定期に入ってから、お腹の張りや出血などなく、安定した状態であればおっぱいマッサージなどのケアを始められます。

乳房や乳頭の形も硬さも十人十色です。
赤ちゃんにとって吸わせやすいおっぱいにはいくつか必要な条件があります。それは、乳輪・乳頭の柔らかさと長さです。ケアをするにあたって、柔らかさは耳たぶまたは唇の柔らかさを目安にすると分かりやすいかもしれません。

おっぱいマッサージにおすすめのクリーム

おっぱいマッサージする際は、摩擦などによる傷を防ぐため、オイルやクリームを使用することをオススメします。オススメは、赤ちゃんの口に入っても安全な授乳中にも使える製品です。使い慣れてるものだと、お産後にも抵抗なく使えますね。

産院でよく使われているおっぱいマッサージ製品は、ラノリン油や馬油製品です。赤ちゃん製品で調べるといくつかあるので、好みのものを選びましょう。

おっぱいマッサージするタイミングは、お風呂上りなど血行がよくなり、体がリラックスした状態がオススメです。おっぱいマッサージする際は、必ず爪は短く切り、石鹸で手を洗って始めます。

まずは、オイルなどを乳輪・乳頭に塗り、乳頭を親指、人差し指、中指で優しくつまみながら伸ばします。これを360度まんべんなく行います。

おっぱいマッサージのやり方

少しでもお腹の張りや痛みを感じる場合は、おっぱいマッサージはストップし、オイルを塗るだけにしましょう。お腹の張りもなく、慣れてきたら乳頭を左右にひねったりして、乳頭の付け根を柔らかくしましょう。

妊娠中お腹が張っておっぱいマッサージができないときは?

もしお腹が張ってマッサージができない場合でも諦めなくていいんです。
乳腺の発達を妨げないよう、ワイヤーの入ったブラジャーはやめ、ノンワイヤーのものやソフトワイヤーの下着をつけましょう。さらにいいのはノーブラです。胸の張り具合や妊婦生活に合わせて下着も変えていきましょう。

そして、身体を冷やさないように腹巻やレッグウォーマーを身につけて、身体の血流を良くしましょう。母乳は血液です。血流が悪いと母乳の分泌にも影響します。

またお腹も張りやすくなります。体を温めて、身も心もぽかぽかな妊婦生活を送りましょう。

妊娠中期の切迫早産について

そしてもう一つ、妊娠中期で注意したいのは切迫早産です。

切迫早産とは、正期産である妊娠37週以前に出産に至る可能性が高い状態をいいます。
自覚症状としては、お腹が張りやすい、またはお腹の張りに痛みが伴う出血などです。

この様な症状がある場合は、妊婦健診の時にお医者さんに相談するのはもちろん、かかりつけの産科に連絡をし、必要であれば受診をしましょう。

切迫早産のような症状がある場合、自宅安静でOKな場合と、入院して点滴管理が必要になる場合があります。
状態によっては、正期産になるまで入院しつづけないといけないこともあります。

働く妊婦さんの仕事の引き継ぎはどうする?

妊娠中期はまだお仕事をされている方も多いと思います。
急な入院で仕事のポストを空けてしまうのは職場に迷惑をかけてしまうと考えてストレスに感じる方もいるでしょう。業務引継ぎなどが必要な場合もあるでしょう。

妊娠中期に入り安定したら、出来るだけ早く上司に妊娠の報告と、非常事態に対応していただけるよう相談しておくといいでしょう。

第二子以降の出産に向けて

すでにお子さんがいらっしゃる方は、急な入院となり、お子さんの送り迎えやお家のことなど様々な段取りを急遽迫られることもあります。

妊娠が判明して妊娠中期に差し掛かる頃には、家族でよく話し合い、急な事態をどのように協力して乗り越えるかをあらかじめ決めておきましょう。

赤ちゃんを迎える準備を万全に

何が起きるか分からないのが妊娠・出産。
家族でしっかりと話し合う機会を持つことで、万が一の事態もゆったりとした気持ちで乗り越えられます。そして、家族にとってもこれから迎える赤ちゃんとの生活に向けての心構えや準備を整えるいい機会です。

妊娠中期は安定期といわれ、胎動も感じ始める時期で、ママ自身も妊娠を楽しめる時期になります。
ぜひ、家族全員で赤ちゃんを迎える準備を万全にしていきましょう。

寒い季節、妊婦さんの身体の冷えはお腹を張りやすくさせます。妊娠中期もしっかり身体を温める服装をし、温かい飲み物や身体を温める食材を積極的に摂りましょう。

身体の循環を良くすることで、妊娠中期の胸の張りやマイナートラブルである便秘や腰痛なども軽減されますよ。

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