本場のスパイスを調合して作る、ストイックなオール独学カレー。
それなのに「唐揚げとご飯!」「とんかつ定食!」という無茶振りオーダーにも対応してしまう。
「Y’s Kitchen」さんは、そんなお店です。
■ おしゃれなカフェ風カレー店「Y’s Kitchen 」とは?
2016年の4月15日から北部市場内にお店を構える「Curry Studio Y’s Kitchen」さんは、リーズナブルな価格でオリジナルのカレーを提供しています。代表の小椋(おぐら)さんが営むこの店舗は、数年前まで有名な焙煎士さんがお店をやっていました。北部市場の方から「店舗が空くよ」と聞いた小椋さんは、そこを居抜きで契約。内観がかなり面白くてデザイン性が高かったため、あえてほとんど手を加えずに営業しています。
■独学を重ねた研究結果がスパイスに
そんな小椋さんの実家は横浜で食堂を経営しているそうで、だからこそ以前から飲食店に興味がありました。会社勤めをしていたのですが、上記の店舗が空いたこと、北部市場にカレー屋さんがなかったことなどから「やってみよう」と思い立ったのです。場所が場所だけにお客さんは市場内の方が中心……かと思いきや、外部の方と市場内の方で半々、あらためてカレーという商品の魅力を実感してしまいます。
そもそもの話で、小椋さんはカレー好き。だからこそカレー店を選択しました。最近はナンで食べるお店が多く、「ボク、お米が好きなんです」という小椋さんはライスを選択。それがポリシーです。しかもどこかで修行したというわけではなく、そのすべてが独学。食べ歩きや本やネットから情報を集めに集めて、インドの方が営むスパイス専門店へ行って、「これはどんなスパイス?」「これはどんな時に使うの?」「これは……」と質問攻めにして、スパイスを1から学び調合していきました。カレーの完成に向けては家に閉じこもり、1日3~4種類ものカレーを試作。そのまま休むことも忘れて3ヶ月間の「カレー自宅修行」を実践。爪が真っ黄色に染まった結果出来上がったのが、Y’s Kitchenのカレーなのです。
カレーはラーメンと同様、「美味しいなら遠くても足を運ぶ」タイプの食べ物。だからこそ、市場内と外部からのお客さんが拮抗しているのも納得できます。実際に市場の近所の人や近場で仕事をしている人、中には出張で近くにきたから食べにきた、という熱心なカレーフリークまでが訪れています。常連さんだと週に3回来られる方もいるそうで、その人気が窺えますね。
次のページでは、研究を重ねた結果のメニューをご紹介します!
爪に火をともすように、人生を転がり落ちてきたモホークカメライター。
グルメやサブカル全般、格闘技関係の情報収集に情熱を燃やし、朝から食べ物の写真を見ながらニタニタ笑っている変態でもある。
見た目はキワモノイロモノだが、中身は捨てられた子犬のように繊細。
なお、体の80%はラーメンでできています。