■ところで「発酵熟成熟鮮魚」とはなあに?
発酵熟成熟鮮魚を平たく言うと、「発酵・熟成させたおさかな」。もともとは牛などの肉用に明治大学と川崎市の企業が産学連携で開発した「エイジングシート」を用いて、川崎北部市場水産仲卸協同組合が民間企業と共に「魚の熟成化」を進めたものです。その名前こそが「発酵熟成熟鮮魚」であり、新しいブランドを模索していた同組合にとっての成功事例となることが期待されています。
通常7日程度で腐敗が始まる魚ですが、この「エイジングシート」に包まれると腐敗しません。それどころか発酵と熟成が進み、ミルクやナッツにも似た「熟成香」が魚を包み込むのです。実際に食べてみたところ、脂の多い魚はより強くその風味が際立ちました。市場内であれば関連商品売場棟3階の食堂街にある「鮨あらい」さんで食べられますから、是非通常の鮮魚との食べ比べをしてみてください!
■知っているなら得をする、市場ならではの品揃え
卸売市場はプロの戦場。しかし水産物部では約2ヶ月に1回、誰でも自由に参加できる「市民感謝デー」を実施しています。また、毎週土曜日朝7時30分にセンター通り(普段は通路)で行われている朝市は、8時台がゴールデンタイム。終了時刻は10時30分ですが、大変お得な商品が山盛りなので早めがいいでしょう。なんと中には半額セールを実施しているお店も……知っている人だけが得をしています。なお、2019年2月16日の市民感謝デーでは、前述の「熟鮮魚試食会」が開催されていました。
「普段お目にかかれない掘り出し物がみつかったり、一般では買えないものが見つかったりします」と北部市場関連組合の林さん。「市場のみなさんは専門職。数十年の経験があるので、余裕があれば料理の仕方や上手な出汁のひき方、肉の部位や仕込みのあれこれとかを教えてくれます。食堂街にある飲食店はほぼ市場内から仕入れているので、新鮮さだけは負けません!」と胸を張ります。そんな食堂街は駐車場直結、管理棟1階には横浜銀行が、南門入り口には郵便局もあって、いざという時に活用できます。
「北部市場は一般向けではありませんが、市場の仕組みや役割を市民の皆様に知っていただくのは大切だと思っています。HPを通じて市場見学の団体受け入れを行っていますし、関連商品売場棟の毎週土曜の朝市や市民感謝デーには是非市場にきて体験していただきたいですね」と話すのは、川崎市経済労働局中央卸売市場北部市場管理課の内山さん。各種イベントや、新しい試みとして平成29年の9月くらいから始まったばかりの市民感謝デーは、日程が決まれば川崎市の広報やメールマガジンのほか、市政だより・川崎区版、タウンニュースなどに情報が掲載されますから、そちらもご確認ください。
■施設データ
【住所】 | 神奈川県川崎市宮前区水沢1-1-1 |
【電話番号】 | 川崎市経済労働局中央卸売市場北部市場管理課 044-975-2211 関連組合 044-975-2874 |
【営業時間】 | 正午過ぎには大半のお店が終了 |
【定休日】 | 日祝日・水曜(北部市場のカレンダーによる) |
【HP】 | http://ichibadeokaimono.jp/(関連組合) |
■土曜朝市・市民感謝デーのアクセス方法
【宮前平駅】 宮04、宮05、生01は、時間によって1番/4番乗り場に変動します。 |
「宮04」の「鷲ヶ峰営業所前行」に乗車して、「北部市場前」バス停降車。ただしやや本数が少なめです。 |
「生01」の「生田駅行」や、「宮05」の「聖マリアンナ医科大学前行」に乗車して、「清水台」バス停で降車。バス路線沿いに西へ8分ほど歩き、北部市場北門から入場します。(「清水台」は溝の口駅からのバス路線もある、本数の多いバス停です) | |
【たまプラーザ駅】 | 地下にある3番バス乗り場から、「た41」の「虹が丘営業所行」に乗車、「平津三叉路」バス停で降車して住宅街と公園を抜け、徒歩10分で北部市場南門に到着します。本数はかなり多めですが、徒歩での時間も考慮しましょう。 |
【あざみ野駅】 | 「向11」の「向ケ丘遊園駅行」に乗車して、「南水沢」バス停で降車。南門まで徒歩1分という近さです。 |
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爪に火をともすように、人生を転がり落ちてきたモホークカメライター。
グルメやサブカル全般、格闘技関係の情報収集に情熱を燃やし、朝から食べ物の写真を見ながらニタニタ笑っている変態でもある。
見た目はキワモノイロモノだが、中身は捨てられた子犬のように繊細。
なお、体の80%はラーメンでできています。