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元住吉で愛される地元のパン屋さん「ARÊTE(アレット)」

「自分が食べたくないものはお客様に提供しない」
「パンを作ることで地域のお役に、世の中のお役に立ちたい」
その想いを胸に、人々の生活を支える「骨」になりたいと願う――
アレットさんはそんなお店です。

■地元に愛される「ARÊTE(アレット)」とは?

元住吉駅から約1000mという距離にある「ARÊTE(アレット)」。この地に根を下ろして12年目となる同店は、お子さん連れのお母さんやファミリーに広く愛されるお店です。店主の池田宏之さんは地元の方ではありませんが、開店するにあたって「ブレーメン通り商店街の雰囲気がとても好きだったから」「駅前よりは住宅地で」という二つの理由で当地を選択しました。住んでいるお客さんの顔を見ながら顔が見える距離でやりたい……という想いの元、常連さんとのお話を楽しみながら続けていくことに喜びを見出しています。

店名の候補がいくつもあった中で「アレット」を選んだのは、アレットがフランス語で「魚の骨」という意味を持つ言葉であったため。骨は体を支える部分なので、「うちのパンを通してお客様の生活を支えたい」という発想から名付けられました。常連さんから「アレットのパンじゃないとダメなのよ~」と言われることもあって、それがすごく嬉しいとは池田さんの言葉。「喜んでいただけることが嬉しいですし、品質だけじゃなくて接客も含めて、家に帰って最後まで美味しく召し上がっていただく。そして、また来たいと思ってもらえたらこんな嬉しいことはありません」と語ります。忙しくて大変な最中でも、それを燃料にやりがいを感じ、楽しみながらパンを焼いているんですね。

■「生活に根ざしたお店もいいな」パン職人の想い

池田さんは、大手ベーカリーから個人店まで12年間ほど修行してきました。パン職人を志した元々のきっかけは、高校時代のベーカリーでのアルバイト時に、そこの社員さんと仲良くさせてもらったこと。作るのも働くのも楽しく、公私ともに充実した毎日だったと言います。そして出店のきっかけとなったのは、旅行先のフランスで「日本と違ってパンの文化が根付いている、バゲットをバッグに突っ込んでいる人もいる」という日常を目にしたこと。そこから「生活に根ざしたお店をやるのもいいな」と考え始めました。

「恐らくはあんパン……おやつなどから始まったであろう日本のパン文化も、いつからか天然酵母が流行りだして、食の関心や食への意識が上がってきて、休日にフランスパンを買ってワインとチーズで食べる……そういったものが日常化してきました」と池田さん。日本とヨーロッパでは気候が違い、日本国内ではパンはすぐに湿気を吸ってしまう。これはハード系でも同様で、職人を悩ませてきました。しかし、長年スキルを積み上げ蓄積して日本国内でやっている人たちはヨーロッパにも負けない技術を奮ってきました。実際に海外で受賞する日本人も増えていますし、パティシエさんは以前から世界一という舞台で戦っている方もいます。

次のページでは、アレットさんのパンの秘密に迫ります!