奥さんのつわりもひと段落した。
もう少し長引くのかと思ったけど、ひどかったのは1週間。
その後少しずつ食べられるようになり、笑顔も戻ってきた。
豆太も順調である。幸せなことだ。
二日ほど時間が作れたので庭にウッドデッキを増設しようとDIY。
ずーっと作りたかったんだけど、イメージが湧かなかったんだ。
そんなある日、産まれてくる豆太が庭で楽しそうに遊んでくれたらなぁ〜とイメージしたら、湧いてきた。
小さい豆太が庭にしゃがみ込んで、草や虫なんかをいじってたら可愛いだろうなぁとか。
あ、でも転んで怪我しないよーにしなくちゃな。とかとか。
イメージが湧けばあとは作るのみ。
ほんとはフツーのウッドデッキを作ろうとしてたんだけど、一箇所穴を作ってそこに何か記念樹を植えたいなぁと思い、そうすることにした。
そうそう、最近僕は植木屋の仕事も手伝ったりしてるのだ。
大学の学科が林学科だったこともあり、植木屋や植物に携わってる友人が多いのだ。
まぁ僕は山ばかり登っていて、学校なんてほとんど行ってなかった訳だけど。
植木屋の友人に木の選定の仕方や、木の向きなんかを教わったりしてると、なかなか面白いのだ。
マンションの植栽をやる時は、植栽の配置や色の選び方など、少し料理の盛り付けにも似ていて面白い。
メインとなる木、そしてそれを引き立たせる低木の配置なんかは、まさに料理の盛り付けだ。
今流行りの植栽について植木屋に色々と聞いたりしてると、知らないことばかりで楽しい。
まぁそんなことで、僕も植木屋をかじってるわけなので、自分の家の庭も少し手を入れたくなった次第なのだ。
最近、奥さんは胎動を感じ始めたようだ。
「あ、今なんか動いた気がする!!ほら!触ってみて!!」
だけど僕は手を当ててみてもちっともわからない。
「なんにもわからないよぉ。いいなぁ、胎動感じられて…。俺も味わいたいなぁ〜。」
僕が触れて胎動を感じるのはまだまだ先のようだけど、豆太は元気に動いてるようだ。
「おーい!!豆太!!今、父ちゃんはウッドデッキを作ってるぞー!!そして、何か記念樹を植えてやるからなぁー!!何がいいか考えとけよー!!」
「あ!!また動いた!! 豆太、ちゃんと聴こえてるんだねぇ。」
記念樹かぁ〜。
何がいいかなぁ。
植木屋の友人に聞くと、まず、常緑樹か落葉樹を選択するといいらしい。
季節を感じる落葉樹がいいかなぁ。桜なんていいかもなぁ。
ふと、庭で座ってる豆太が桜の木を指差して、それを見守る奥さんが、耳を近づけてる光景が浮かんだ。
うん、桜、いいかもなぁ。
大学時代に学んだ林学や山岳部での活動を通じ、カヌーや登山などの屋外スポーツやアウトドアライフを広める活動をしている。
イタリアンレストランで修行した経験を活かし、現在は世田谷区に民家を改造した予約・貸し切り制のカフェ「しゅとカフェ」を営む。
他、雑誌「PEAKS」「ランドネ」の山ごはんレシピの考案や商業施設イベントでのフードコーディネートを担当。
【趣味】
- DIY
- 楽器演奏。
- 自転車や徒歩で日本のみならず世界各国へ旅をすること。