「お店はお客様が入ってこそ完成する」
「こだわり過ぎない、こだわりの料理を作る」
北部市場にある「調理室池田」さんは、そんな想いがたくさん詰まったお店です。
■北部市場内に生まれた別世界「調理室池田」とは?
「調理室池田」さんは、2018年の12月14日、川崎市中央卸売市場北部市場(以下北部市場)にオープンしました。店名のかんばんにも記されているように、「Breakfast, Antiques and Gallery」ということで、朝食とアンティーク品を扱っています。1階がイートスペース、2階がギャラリーという構成になっていて、扉も含めた店内は「古く、味わいのあるものを各地から探し集めて構成」したもの。営業時間は市場の人々が活動する時間に合わせて、朝7時から13時(L.O.)までです。また、毎月2回、土曜日曜中心に料理教室も開催しています。
■なぜ市場内に開店したのか?
以前から料理教室を開いていた池田宏実さんは、使う素材を北部市場で仕入れていました。そこでは仲卸さんなどから学ぶことが多くあり、「食のプロが集まるこの場所に出店することは、自分自身の成長にもつながる」と考えたそう。加えて、食のプロから直接素材を買うことの楽しさを一般の方にも知ってもらいたいという想いがあって、「調理室池田」として北部市場へ出店したのです。
そんなお店のコンセプトについて伺ったところ、「消費行動の新しい価値観として、有名であったり高価であったりすることよりも、自分らしさや、自分だけ、ここだけ、という特別感や希少性といったことを求められているように感じます。一つのものを直しながら長く大事に使い続けたり、エコの意識だったり、フェアトレードだったり……そういうことが付加価値となる時代にふさわしい店にしたいと思いました」という、熱意を感じる言葉が。
2階のギャラリースペースは今後充実させていく予定で、今はフランスのものを中心に販売しています。「アンティークの食器は大量生産の対極にあり、唯一無二で、かつストーリー性があるものです。すでに100年、200年を経ているものですが、買った人はこの先の100年を預かる人。そう思うとより大切に思えてくるのが面白いと思っています」と、アンティークへ対する想いも感じ取れました。
次のページでは、調理室池田さんで提供されるフードをご紹介します!
爪に火をともすように、人生を転がり落ちてきたモホークカメライター。
グルメやサブカル全般、格闘技関係の情報収集に情熱を燃やし、朝から食べ物の写真を見ながらニタニタ笑っている変態でもある。
見た目はキワモノイロモノだが、中身は捨てられた子犬のように繊細。
なお、体の80%はラーメンでできています。