「これがたべたい!」と笑顔で注文する小さな常連さんが、大人になって地元を離れ、帰省した時に気軽に来てくれる店にしたい――
「優しい中華 柊 ~ひいらぎ~」さんは、そんな想いを持ったお店です。
■「優しい中華 柊 ~ひいらぎ~」とは?
「優しい中華 柊 ~ひいらぎ~」さんは、「有馬第二団地前」バス停から徒歩1分程度の距離にある中国家庭料理店。「いかにもな中華料理店にしたくなかった」というお店の内観も外観も、パッと見は洋食屋さんを思わせる佇まいです。一風変わったこの店名にはある秘密が……映画の副題のようになっているのは店主の正村幸司(まさむらこうじ)さん元来の映画好きなところから、そしてお子さんの名前の内、「優しい」は兄の優斗くん(17)、「柊」は弟の柊二くん(15)からそれぞれ一文字ずつ選択。その理由は、「自分の子どもの名前を使っているからそう簡単に潰すわけにいかない」という覚悟と信念から……そういう並々ならぬ想いで独立開業しています。
■有名店から街中華まで、幅広く活躍。その源流は「星華園」「シャンニーカフェ」にあり!
多くの修行先で腕を磨いた正村さんの基本は広東料理で、それプラス修行時代に先輩や本場のシェフから教わったものがベース。料理人としての魂は「横浜で40年ほど中華料理店 『星華園』 を営む親の背中」で培われました。そして横浜中華街の街中華から始まり、聘珍樓や筑紫樓などの有名店で何年も経験を積んだそうです。中でも神宮前にある「シャンニーカフェ」で店長として働いていた時に、先輩のスタイルと正真正銘本場の料理人に触発されて「それまでの料理スタイルが変わりました」という正村さん。中国各地出身のスタッフ向けにまかない料理を作っても濃さや辛さの好みがバラバラ、だからこそスキルの幅が大きく広がったのです。
「本場の人が食べておいしいと感じてもらえる料理がやりたかった」という想いの中で、いつしか正村さんの料理を食べた人から「あなた中国の人?」と聞かれるくらいのレベルになっていたのだとか。「そういう勉強をしてきたので嬉しかった!」と満面の笑みを見せます。またシャンニーカフェはオープンキッチンなので、お客さんの顔を直接見ながら接客して、そして顔を覚えてもらって「いつも美味しいね!」と満足してお帰りいただく……場所柄有名人も来店するので最初はどんな会話をしていいか分からなかったものの、そういった方もリピーターとなり何度も料理を食べに来てくれる、それが大きな自信につながりました。
親御さんの姿を小さい頃から見てきた正村さんは、「多店舗展開よりも、地域密着で続けられたらいいなあ」との想いを強め、現地へ出店。立地が駅から離れているので悩んだそうですが、シャンニーカフェでの経験から「自分の気持ちがあればお客さんは来てくれる」という確信がありました。実際に、土日祝日は予約でいっぱい……という状況も多々あるそうなので、行く際は事前に電話を入れてからがよいでしょう。
次のページでは、TVでも話題になった海鮮焼きチーズリゾットチャーハンもご紹介します!
爪に火をともすように、人生を転がり落ちてきたモホークカメライター。
グルメやサブカル全般、格闘技関係の情報収集に情熱を燃やし、朝から食べ物の写真を見ながらニタニタ笑っている変態でもある。
見た目はキワモノイロモノだが、中身は捨てられた子犬のように繊細。
なお、体の80%はラーメンでできています。