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二子玉川生まれのクラフトビール「フタコエール」で知られる「ふたこビール醸造所」代表の市原尚子さんより、新たに世田谷区瀬田に醸造所をオープンするという話を聞いた。その場でビールが飲める「タップルーム」も設置されるという。一体どんなお店になるのだろう。新店舗で詳しく話を聞いてみることにした。
元鰻店を醸造所に改装
新店舗は、東急田園都市線の用賀駅から二子玉川方面に10分ほど歩いた環八沿いにあった。お店の目の前は賑やかな道路となるが、店舗の背後には閑静な住宅街が広がっている。大型商業施設のニトリや砧公園にもほど近く、公園の帰りなどに立ち寄るのにちょうど良い立地だ。
和風な外観に驚きながら、シャッターをくぐると、ガラスの向こうにビールを醸造するためのタンクが見える。2階から降りてきた市原さんに早速話を聞いてみることにした。
―ここはずっとお店が閉まっていた場所だと思うのですが、元々何のお店でしょうか。
ここは鰻店でしたが、10年ほど前に閉店してそのままになっていました。私たちは5年ほど前にこの場所を倉庫として借りていました。
―以前から借りていた場所なんですね
そうですね。ここを倉庫として使いながら、二子玉川に続く2つ目の醸造所を探していたのですが、なかなか良い場所が見つからず、困っていた時にふとこの場所が良いかもと考え始めました。
―その理由はなんですか?
最初は醸造ができるタンクが入る、など条件面から場所を探していたのですが、立地という視点で、この街のどこにお店があったら、このエリアにとって良いだろう、と考え直してみました。そうすると、駅から少し距離がありながら、二子玉川、用賀の徒歩圏内にあるこの場所は、実はすごくちょうど良い場所であり、ここでお店をやることが地域の活性化につながるのでは、と思えてきたのです。
醸造所でクラフトビールを味わう
―こちらは醸造所がメインになるのでしょうか。
メインは醸造所ですね。二子玉川の店舗でも醸造はできるのですが、もっと増産がしたかったので、この場所を作りました。天井が低いので、このサイズに合わせてタンクもオーダーメイドで発注しました。また、缶に詰める道具も揃えたので、外部依頼することなく、この場所でビールを缶に詰めることができるようになります。
―入口にカウンターがあるのですが、そこでビールも味わえるのでしょうか
1階の立ち飲みカウンターと2階でも飲むためのスペースを用意します。2階はいまDIYで作っているので、まだ完成していないのですが、テーブルをいくつか設置する予定です。あとはこの場所は2階に洗濯を干すスペースがあるので、そこにもテーブルを置いて、環八を眺めながらクラフトビールを飲む、という楽しみ方もできます。
―それは珍しいですね! この店舗でやりたいことはありますか?
1つは、ワークショップのような形で参加者が作りたいビールを作る「クラフトビールづくり体験」ですね。他の醸造所でも行っているところはありますが、たいてい仕込みだけ参加して、あとは出来上がったらご自宅にお届け、というケースが多いです。それも良いのですが、うちは出来あがったら、また参加者が集まってみんなでビールを味わう、という形が実現できればと考えています。
―それは良いですね。参加者同士の交流にもなりそうですね
もう1つは、ビールを作ると大量のホップの滓が出るので、それを再利用する形でパンを作って、お店で販売しようと思います。私自身、パンづくりの経験は無いですけど、こないだ近所のパン屋さんに「パンづくり教えてください」って行ってきました(笑)。「SDGs」という言葉を最近よく聞きますけど、クラフトビールのお店でできることとして、捨ててしまうものから新しいものを生み出す、ということに取り組んでみようと思っています。
―2つとも非常に楽しみですね!オープンの予定はいつ頃でしょうか
醸造所は機械が揃えば作り始めます。作ったものを味わえるタップルームは「unagiya taproom(ウナギヤ タップルーム)」という名前にしました。こちらは、2021年の10月中旬オープン予定です。
地域の人がフラリと立ち寄って、クラフトビールを味わって帰る、そんな地元の人に愛されるお店になってくれればよいなと思います。
地域のイベントに積極的に参加するなど、常に街の活性化を意識しながら活動を行っている「ふたこビール醸造所」。
外観については「このままいきます!」とのことだったので、和風な鰻店の奥にクラフトビールの醸造所がある、というギャップが楽しめるお店がこの街に登場する。自販機での販売や、みなさんにぜひ飲んで欲しいふたこセレクトの他社のビールも販売予定だそう。きっと新しい地域の核となるようなステキなお店になっていくことだろう。
気になる方は、ぜひ足を運んで、美味しいクラフトビールを味わってみてはいかがだろうか。
ふたこビール瀬田醸造所
■住所
世田谷区瀬田5−2−1
■電話番号
03-6432-7025
・テイクアウトあり(ビールはプラカップ、グラウラーでの量り売り)、瓶、缶の販売あり
・営業時間は未定のため、最新の情報は以下のサイトにてご確認ください
お店の最新情報はインスタグラムでも更新中
■instagram
https://www.instagram.com/futako_beer_seta_brewery/
■アクセス
東急田園都市線「用賀駅」徒歩10分
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1978年生まれの編集者。世田谷区用賀在住。子どもは長男(7歳)、次男(4歳)の二人。歴史と散歩と釣りが好き。最近は子どもと多摩川で釣りをしたり、プロレスの歴史を調べることにハマっている。