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奥さんが妊娠したのだ!

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奥さんが妊娠した。
いや、その前に僕もとうとう結婚したんだ。

夏にプロポーズして、来年にでも式を挙げようかとのんびり計画していたんだけど、妊娠が発覚したというわけ。

「おー!まじか!うわぁーすげぇー!!おめでとう!俺もおめでとー!」
なんていうリアクションしか取れず、なんとも恥ずかしいのだが、なんだか実感がないのが事実。

この僕が父親になる?

もちろん体に何の変化もなく、今までと何ら変わらない。
急に父親になるというのも、変な感じだ。

奥さんもまだ体に何の変化もないようで、同じような感覚らしい。
二人で「まじかぁ~、すげーなぁ~」と言い合う。

奥さんはお腹の中にいる我が子に「豆太」という名前を付けたらしく、しきりにその豆太に話しかけている。
「豆太ぁ~、あんたは男の子ぉ?女の子ぉー?」
なんとなく二人して男の子じゃないか?という感じがしてる。なんとなくだ。

僕は何をしたらいいのだろう?

とりあえず奥さんにさらに優しくして、栄養のあるものを食べさせなきゃな。
そして、名前を考えなくちゃな。

そうそう、豆太が大きくなったらキャッチボールしたいな、と思ってとりあえずグローブを新調してみた。
うんうん。いーぞいーぞ。
グローブを新調したらやっぱりキャッチボールがしたくなる。

一人で公園に行って壁当て。
家に帰ってもタオルを振って肩を作る。
今の僕はそんな事しかできないのだ。

奥さんも今までと変わらずよく笑ってる。
「豆太ぁ~今日も元気ですかぁ?」 とお腹に向かって話しかけてる。

僕もお腹に向かって話しかける。
「豆太ぁ~、お父さんですよぉ~、初めましてぇ~、これからよろしくお願いしまちゅ!」

さてさて、妊娠すると最初に訪れる壁が奥さんのつわりである。
そして、うちの奥さんにもそのつわりがやってくるのであった…。

(つづく)