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溝の口の甘味処「おはぎ専門店 ももすず」

東急田園都市線に東急大井町線が乗り入れ、JR南武線が交差する溝口。この地名ですが、「溝口」「溝の口」「溝ノ口」と様々な言い方があるのを常々不思議に思っていました。調べたところ、行政地名は「溝口」。JR南武線の駅名は「武蔵溝ノ口」。これは、駅を開設する際「溝口」にする予定でしたが、すでに他の駅で使用されていたため「武蔵溝ノ口」にしたそう。東急線の駅名は「溝ノ口」でしたが、1960年代に東急線の駅名について「ノ」や「ヶ」をひらがなに変更したため、「溝の口」になったようです。お店の名前や看板など、様々な「みぞのくち」を探してみるのも面白いかもしれません。

弥生時代の集落跡地を利用して造られた県立東高根森林公園、江戸時代には大山阿夫利神社への参詣ルートとして、また五街道の一つ東海道の重要な脇街道として、大きな意味をもっていた「大山街道」など、文化史跡も多く存在します。溝の口駅正面口を出ると、立ち並ぶ駅ビルが飛び込んできて、豊かな文化史跡と華やかなショッピングタウンが共存している街といえそうです。今月は、そんな溝の口から庶民の和食文化を発信するお店をご紹介します!

手作りおはぎと店主の笑顔に引き寄せられる 
世界に羽ばたく、幸せあふれるおはぎのお店
溝の口「おはぎ専門店 ももすず」

「日本一おいしいおはぎやさんへようこそ」
そう優しい笑顔で出迎えてくれたのは、店主の百瀬江子(ももせきみこ)さん。
なんと御歳82歳。背筋が伸び、手際よく厨房を切り盛りする様は、なんとも若々しい!
「もともとは趣味でおはぎを手作りしていたんです。手土産にもちょうどよく、みなさんに食べていただいていたら、“こんなおいしいおはぎは食べたことがない!”ととても喜んでくださって。日本の食文化であり、母との思い出の味でもあるおはぎを広く知ってもらいたいと思い、67歳のときに地元の長野でおはぎ専門店を開きました」
19年前に夫を亡くしてから、周囲の方々にとても支えられたと言います。その恩返しとして、この味をその方々たちに継承し、今では長野に3店、2016年1月に溝の口、今年6月に北海道に出店したそう。

バイタリティにあふれている百瀬さん。このエネルギーはどこから沸いてくるのでしょう。
「まだ長野にいた頃、町のイベントで世界的ジャズベーシストの方と出会ったんです。彼の奏でる音色は本当に魅力的ですばらしい。聞いているだけで幸せな気持ちにさせてくれるの。私の残された人生を、明るく華やかに導いてくれたこの方とのご縁を大切にしながら毎日を過ごしていますからね」
目尻を細めて少女のような微笑みで話す百瀬さんは、とてもキラキラして見えます。現に、百瀬さんの元気パワーとハッピーオーラ目当てで、お店に足を運ぶ人もいるとか。まさに、溝の口のパワースポット!

そこへ「おまちどおさま」とおはぎが登場。
「まずは召し上がってみて」とカウンター越しから出てきたのは、定番の「あん」。ひと口いただいてみると、中のおもちの柔らかさにびっくり。お米の粒感はあるのに、ふんわりとした食感。あんは上品な甘さで、後味はさっぱり。こんなに軽やかに食べられるおはぎは初めて!
「甘みを控えめにすると素材の味が引き立つの。これだと甘いものが苦手という人もペロリと食べられるんですよ。お米やお豆の炊き方は、試行錯誤しながら今の食感にたどり着きました。硬い和菓子はおいしくないでしょ。なるべく作りたてを食べてほしいので、添加物は一切使いません」
最近は若い方や男性も足を運んでくれるようになったそうで、「紫いも」「ずんだ」「麦こがし」が人気とか。
メニューを見ると、おはぎは全部で16種類。カラフルかつバラエティに富んだ味がラインアップされています。すると、それらが詰まった箱を見せてくれ、「これは、私の作った味がすべてつまった“幸せの玉手箱”。目でも舌でも心でも幸せを感じてほしくて名づけました。あ、あと私の幸せのおすそわけ、という意味も込めて(笑)」と、おもたせにぴったりのセットを紹介してくれました。

そんな公私共に充実している百瀬さんに今後の目標を伺ってみると、
「今、フランチャイズでお店を増やしていて、国内に少しずつ私の味が広まっています。この自慢の味をもっともっと知ってほしいと思い、実は来年以降、海外進出に向けてプロジェクトが進んでいます。ほかにも、いつかは本を出版してみたいし……、んー、やりたいことは山ほど! 年齢を重ねるごとに欲張りになっているのかもしれないですね(笑)」

おはぎ専門店 ももすず

住所:神奈川県川崎市高津区下作延1-7-48 溝の口ガーデンレジデンス110号
電話番号:044-813-0255
営業時間:10:00~19:00 
定休日:水曜日
※ イートインスペースあり。時間によってランチもご提供しています。
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編集後記

「ももすず」さんのおはぎは絶品でした。また食べに行きたい! と思うのは、おはぎのおいしさはもちろんですが、店主の百瀬さんの魅力的な人柄もあると思います。今回もステキな出会いがありました。

※ 2017年10月7日当時の情報です。お出かけの際には、お店のホームページなどをご確認ください。